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ホルン

ホルン, Horn [英], Horn [独], Cor [仏], Corno [伊]

正式名はフレンチホルン。トランペット、トロンボーンより柔らかい音色が特徴。ベルを後に向けて演奏するので音が小さくボヤけやすい。その反動か上級者はどの金管楽器よりも大音量で演奏できるとも。


ホルンにはシングルホルン、ダブルホルン、トリプルホルンなどの種類があり、その違いは管の長さにあります。シングルホルンにはBbシングル、FシングルなどがありそれぞれBb管、F管の楽器です。ダブルホルンはF/Bbダブルが一般的でF管とBb管を4番バルブを使うことで瞬時に切り替えることのできる楽器です。トリプルホルンはダブルホルンにさらにHi F管などを組み合わせ3つの管を切り替えることのできる楽器です。管の種類によって演奏できる音域に違いが出てきます。音域AはBb管では演奏ができません。音域E以上はF管では難しい。

F管が一番ホルンらしいいい音がする、ということで現代でもF管がよく使われていますが、実際は音を出すのが難しいのでBb管をメインに使う演奏者が多い。作編曲家が使用する管を指示することは一般にはありませんがそれぞれの管で音色などの特性が少しずつ違うので考慮すべし。


譜面は一般的にはF管で書かれ実音は記譜音の完全5度下になります。昔の楽譜にはEb管用に書かれたものもありますがEb管ホルンはお目にかかることはまずないでしょう。ホルンは本来様々な調で譜面が書かれますが吹奏楽ではF管で書くのが普通です。最近はF以外の調では読めない人も増えました。


吹奏楽でよく使われる音域は音域C、Dです。音域が高くなると小さい音で演奏するのが難しくなり、低くなると大きい音で演奏するのが難しくなります。音域Bや音域Eは上級者では演奏できますが音域Aと音域Fは吹奏楽ではほとんど使いません。音域F以上の音域は限られたソロ曲でしか見られません。

ホルンの音域は見ての通り広いのですが全ての演奏者がこの音域をカバーできるわけではありません。比較的高音域が得意な人、比較的低音域が得意な人、の区別がありそれぞれ俗に「上吹き」、「下吹き」などと呼ばれています。これらの上吹きと下吹きを組み合わせてホルンセクションを形作るのが慣習になってます。例えば上吹き下吹き1人ずつで1組とします。一般的にオーケストラや吹奏楽ではこの組を2つ計4人でホルンセクションとします。そこで譜面上は1番奏者が上、2番奏者が下、3番奏者が上、4番奏者が下、という割り当てになります。したがって担当する音の高さは高いほうから1番3番2番4番と配置するのが一般的です。上吹きと下吹きの音域の境目はといいますと、音域CとDが最もよく使われる音域でその中で高音か低音かがだいたいの基準です。音域A、Bは上吹きには吹きにくい音域で、音域E、Fは下吹きには吹きにくい音域になるので多用は厳禁!吹奏楽では使われる音域が狭い傾向にあるのでパートによる高低が1番3番2番4番となっていれば気にしすぎることはないと思います。


ホルンを初めて目の前にした人のほとんどがしてしまう行動はベルの中を覗き込むということです。ホルン奏者は右手で何をしているのか?という疑問には同感です。ホルンはその歴史上の都合でこのようなカタツムリ型になりました。この形が定着した当時はまだバルブが発明されていなかったので(この楽器をナチュラルホルンといいます)現代の楽器で同じ運指で出る音(自然倍音)だけで曲を演奏していました。モーツァルトなどの時代に音楽の発展に伴って物足りなくなったホルン奏者が右手でベルを塞ぐことにより音程が変わることを利用していろいろな音を出すようになりました。モーツァルトのホルン協奏曲などはこのような方法で演奏されるために書かれたものです。現代のホルンが右手をベルに入れて演奏するのはこの名残です。現代のホルンは右手を正しく使った状態で正しい音程がとれるように設計されているので右手を入れなかったり間違った形で入れて演奏すると音程が悪くなります。

右手を使った奏法にゲシュトップ奏法があります。ゲシュトップ奏法は右手でベルを完全に塞ぐことによって音色を変化させる奏法です。ゲシュトップ奏法では小さい音量ではくぐもった音色に、大きい音量では鋭い金属的な音色になります。大きい音量は通常よりは小さくなりますし響きもなくなるのでテュッティでは目立ちません。ゲシュトップ奏法をすると音程がF管では半音、Bb管では3/4音ほど音程が高くなります。F管では半音低い運指で演奏すればいいんですがBb管ではそれができないので補正するためのゲシュトップキーが付いています。ゲシュトップ奏法の指示するときは音符の上か下に+を付けるかgestopft(独)やstop(英)と書きます。やめるときは○、offen(独)、open(英)と書きます。記譜する際はゲシュトップ奏法による音程の変化は考慮せずに記譜します。半音ズラして記譜した作曲家もいますが演奏者が混乱してしまいますのでそういうことはやめましょう。

使用できる音域に特別な制限はありませんが低い音域ほどその効果を出すのが難しくなります。低音や手の小さくてゲシュトップ奏法が難しいという人のためにゲシュトップミュートというものがありますがゲシュトップ奏法とまったく同じというわけにはいかないので注意!


ミュートはストレートミュートが最も使われますが演奏者によっては持っていないので使用する際には確認したほうがいいでしょう。着脱には多少の時間がかかりますが手首にかける紐のついたミュートがあれば楽器を放さずに着脱できるのですばやく着脱できます。


音域表で記譜音は全てト音記号で書かれていますがヘ音記号で書くこともできます。吹奏楽ではほぼ使われませんが注意点を1つ。ホルンのヘ音記号は一般的なヘ音記号の書き方の他に1オクターブズレた書き方の2通りがあります。使い分け方はありません。作編曲家の趣味しだいです。どちらが演奏者にとって読みやすいかというのも特にありません。が、1オクターブズラす書き方は昔からの慣習であって他の楽器では使われなくなった方法ですのでこれから新たに書く場合は普通のヘ音記号で書くほうがいいかもしれません。詳しくは音部記号を使いこなすをご覧ください。

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