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6 和音分析しよう


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6.2.10 [L]〜

[L]からはDの領域ですが、最初はわからないと思います。Horn、Tromboneが上昇形ですが、木管のアウフタクトの最初の音がその半音下になります。つまりアウフタクトから上昇が始まっているのです。G→C→B→DとDにたどり着きます。木管の細かい音は最初の音とHorn、Tromboneの音の間にある音です。

譜例クリックで拡大 ピアノなどで実際の響きを確かめてみよう

[M]の2小節前から本格的にDの領域に入ります。下の譜例は[M]からの和音を抜き出したものです。赤の音符はDの音とその変化音です。こうみるとやはりDが中心になっていることがわかります。フレーズ間にあるPiccolo、Flute、Oboe、Es Clarinetも同様です。最後までDがブレないようにを意識しましょう。

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曲の最後はもはや言うことはありません。D-F-Aがイメージできれば問題ないでしょう。

6.3.最後に

和音を理解することは音程を合わせるために必要なことです。そもそも音程をノーヒントであわせることはほぼ無理です。人間の感じている音程は体調や環境によって微妙に違うからです。50人が寸分違わない音程を用意することはすごく難しいことなんです。なので演奏会やコンクールでは直前にチューニングをして音程感覚をリセットするのです。みんなで基準となる音程を確認しあって、それを忘れないうちに本番にのぞみます(人の耳には聴いた音を少しの間保持する機能があります)。決して楽器のためだけにチューニングをするのではありません。アマチュアバンドを見ているとチューニングの時はあっているのに曲になるとあわないという状況がよくあります。これは楽器に頼って音を出しているからです(とイメージが曖昧なままだから)。

あえて言っておきますが音程を用意するのは自分の頭の中です。音を出してからあわせてもすでに遅いからです。音を出した瞬間に正しい音程を出すには事前に用意する必要があります。それに使えるツールは自分の記憶や感覚しかありません。できるだけ記憶を自在にコントロールするには1音単位で感じるよりも倍音がより豊かに響く和音で考えた方が有利です。無伴奏の単旋律であってもそうです。そこに和音をイメージしてそれを元にとるべき音程をしぼっていきます。

和音をイメージするには和音の機能を理解していると感じ取りやすいと思います。例えばドミナント→トニカという流れは緊張→緩和という表情があります。この流れを解決するといいます。和音は音程のぶつかった緊張感の高い音からシンプルな長三和音などのように調和した美しい和音へと移りたがります。この求心力が音楽に流れを作るのです。次にどんな響きに移るのかを常に頭の中に用意することができれば音程も高い精度であわせることができるでしょう。